



「明るくて、风がよく通る家に」「庭を広く取り、庭を楽しみながら暮らしたい」――Sさまからのご要望でした。南に大きな庭を取ると同时に、门から玄関に至るゆったりしたアプローチと大きな中庭を设け、どの部屋からも庭を楽しんでいただける住まいにしました。
道路から门を経て玄関へ――アプローチはできるだけ长く取り、“公”から“私”へ気持ちの切り替えをする空间と时间を取りたいと思っています。敷地の広さに制约がある场合、长いアプローチは难しいのですが、敷地奥に玄関を设け、歩く距离を长めにするといった工夫で、アプローチを确保します。

門を開けると、正面には兵庫県、生野特産で上品な肌が特徴の丹波石で組み上げた壁が “ついたて”のような役割で立っています。この壁を迂回する、玄関までの長いアプローチをつくりました。

丹波石の“ついたて”の后ろには、コケの美しい和风の庭园をあしらっています。アプローチを歩きながら、移り変わる景色を楽しんでいただくことができます。

门を入ってすぐ左に折れると、建物に沿って庭に抜ける道になります。竹を植え风情のあるアプローチにしました。
“人は外界からの刺激を受けることで、生活を豊かにしていく存在だ”といわれています。1日の时间の変化や四季の移り変わりを感じることができると、心が豊かになります。もちろん、外に开けば开くほど外部からの视线への配虑が必要です。窓の取り方や塀、植栽などの工夫で内と外とを気持ちよくつなぎます。

尝顿碍に大きな开口部をとって南の庭につなげました。室内から外へと轩を连続させることで视线を外へと诱います。

玄関の正面には大きな中庭を设け、ガラス窓越しに四季の眺めを楽しめるようにしました。奥には塀を立て、外からの视线を防いでいます。

中庭は玄関だけでなく、右手のご主人の个室や左手の浴室からも眺めることができます。奥の塀には葛饰北斎の富岳36景の中のひとつを庵治石(あじいし)で表现しています。

尝顿碍や个室だけでなく、浴室でお汤に浸かりながら中庭の眺めが楽しめます。どこにいても庭を感じることができるお住まいです。
空间を构成する素材には、歳月を経て味わいを増していく无垢材や石やタイルなどの自然素材を使いたいと思っています。経年変化は単に古くなることではありません。时间を内包し、积み重ねながら価値を増すことだと思います。

和室の広縁にはヒノキを使っています。施工当初よりやや赤みが増しています。その表情の変化を感じることも暮らしを豊かにする要素です。

玄関ホールには空间のアクセントになる壁として釉薬タイルを使っています。和の雰囲気がSさまのご要望であったことから鉄色を选び、また、涂り壁と同じ质感のある目地を幅広く取ることで、壁との一体感をつくりました。

アプローチに向かって大きな开口部を设けた和室。长押の上には、以前の住まいで使われていた一刀彫りの栏间饰りを置いています。同じ栏间を新たにつくり、梁の二辺を饰りました。

アプローチの横に広がるのは和室前の庭。砂利が水の流れを表现しています。丹波石でつくった“ついたて”の石组みが庭の表情をさらに豊かにしています。

尝顿碍のアプローチ侧の窓は、ハイサイドライトにして歩く人からの视线を遮り、光だけを取り込みます。

深い轩の下のウッドデッキは、室内と庭の中间领域として、いろいろな楽しみ方ができます。

鉄筋コンクリートの壁とタイル张りの壁の组み合わせでデザインした外构。干线道路に面しているため交通量や人通りが多く、道路と建て物を区切るために高めの塀を设けました。クラシックな表情のあるスクラッチタイルを使い、风格のある佇まいにしました。


